Odd-e Japan

海外の最新事情をお届け Global Scrum Gathering Minneapolis 2018 Global Scrum Gathering® Minneapolis 2018 参加レポート

Odd-e Japan CSO 浅田 純史 “WBS”という開発者と企画者の壁を爆破。大事なのはツールではなく“ヒト”

これまでヤフー、ディー・エヌ・エー、リクルートライフスタイルで主要ポジションを担ってきたひとりの「製品開発企画大好き男」がいます。有名企業でのキャリアを捨て、名の知れない小さな会社「Odd-e Japan」にチャレンジした理由や意義はどこにあるのか?本人の軌跡をたどりながらひも解きます。


キャリアのスタートは法人向け営業「“協働する楽しさ”が自分を変えた」
▲ Odd-e Japanの淺田純史

▲ Odd-e Japanの淺田純史

淺田純史の社会人のスタートはヤフーのショッピング事業の法人営業担当でした。倒産・夜逃げ店舗の借金回収から販促企画まで幅広く行なっていた淺田は、社内の顧客管理システム刷新のPM(プロジェクトマネージャー)に抜擢されます。それが、製品の企画開発に関わるきっかけでした。

淺田は、ここで大いに“勘違い野郎”っぷりを発揮します。「PMとは偉い人、優秀な人なのだ!」 という気持ちが、彼の他責行動ーー自分はちゃんと管理をしているのにエンジニアのせいでうまくいかないーーを生み、エンジニアとのあいだに壁を作ってしまいました。

淺田 「その状況を見ていた当時の上司から『結局、モノづくりをするのはエンジニアなのであって、PMではない』という助言をもらいました。その助言から 『PMは彼らの開発の手を止めないように先回りして、課題を解決していくしかない』ということに気がついたんです。

それからはエンジニアと信頼関係を築けるようになり、プロジェクトも大分円滑に進めることができるようになった記憶があります。また、エンジニアと一緒に仕事をしていく過程で “協働していく楽しさ”、“何もないところからモノが作り出されて、ユーザーに届けることができる楽しさ” に気が付き、『一生、モノづくりに携われる仕事をしたい!』と思ったんです」

その“想い”が、あのころも今も変わらない原点となり、社内の複数プロジェクトから製品企画をリードする役割として声がかかるようになりました。気がついたころには最大10ものプロジェクトを同時にマネジメントするようになっていたのです。


スクラムとの出会いが 「チームワークの可能性最大化への探求」につながる
▲ DeNA時代の淺田

▲ DeNA時代の淺田

淺田はその後、モバイル事業を主軸にしたビジネスに興味が湧きディー・エヌ・エーへ転職。急速に拡大を続けるMobageプラットフォームの事業責任者を務めました。

当時プラットフォーム開発部門全体でスクラムでの開発スタイルを取ることとなり、ビジネスリーダーとしての役割である「プロダクトオーナー」を担当したことが、淺田とスクラムとの出会いでした。

ここでアジャイルやスクラムについてご紹介。「アジャイル」は、英語で 「機敏・俊敏」を表す単語です。プロジェクト / プロダクトをより良くしていきたい、マーケットや顧客に “早く” 価値を提供したい、そのために関係者のコミュニケーションも大切にしていこうとする「概念」を指します。

一方「スクラム」は、プロジェクト推進に用いられる手法のひとつで、具体的に問題や課題、置かれている状況を素早く把握するための「フレームワーク」を指します。

「アジャイルマインド」や「スクラム手法」は、業界業種問わず、話題を呼んでいるフレームワークです。

淺田「何百枚というPowerPointでの仕様書作成や、幾度となく修正されるWBS(Work Breakdown Structure:プロジェクトの詳細な作業をスケジュール化したシート)ばかりに時間をかけるかわりに、口語表現で記載する『開発要求リスト』を記載して、コミュニケーションで補完していくスタイルは画期的で、目からウロコでしたよ。まったく今まで何やってたんだって(笑)」

他にも、PMはよく 「優先度」 を使います。そうすると、優先度Aが大半を占めるリストが出来上がり、そのうち更に優先度が高いSやSSができる……。結果、開発者が「どれから手をつければいいかわからない」という問題がおきるのはよくある話。

スクラムでは、「優先順位」 を決めることがルール。作るものの順番を開発メンバーに明確にオーダーすることになるので、ゴールが明確で分かりやすいと、ポジティブな意見をもらえたと淺田は語ります。

淺田「不確定要素が多いビジネス状況で、優先度を高くしたいものはいつもてんこ盛り。そのなかで、腹をくくって決めて、検証したいものを開発メンバーにオーダーする。

そうすると、1、2週間ごとに実物として反映されるので、市場での仮説検証が早くできるんです。実際に動く製品を見ながら、開発者と直接改善点やアイディアについて話せることも大切で、認識のくい違いを防いだり、トレードオフの意思決定が早くできたりするところも魅力です」

スクラムがビジネスをスピーディーに進めるうえで効果的だと感じた淺田は、より専門的な知識を得るために、認定プロダクトオーナー研修(Scrum Alliance® 認定の資格)を受講したいと志願。そこで日本唯一の認定スクラムトレーナーであり、Odd-e Japan代表の江端一将と出会います。


“調整屋” からの脱出と 0→1 へのチャレンジへ
▲ Odd-e Japanに参画したころの淺田

▲ Odd-e Japanに参画したころの淺田

2014年当時、淺田は海外向けのプロジェクトに関わりたいという理由から、ディー・エヌ・エーから3社目のリクルートに転職。リクルートでは、プロダクト開発だけでなく、組織全体の開発体制をウォーターフォールからスクラムへと変えていく取り組みを行っていました。

とはいえ、組織全体となると自分の力だけではスピード感を持って進めることができません。そこで、江端にコーチとして来てもらい、スクラム導入の方法やプロダクトオーナーの育成方法についてアドバイスをもらっていました。

導入促進は順調に進み、さまざまなチームで新しい取り組みが広がりをみせていました。その一方で、淺田は自分の働き方に自問自答していました。大企業のなかで働くのが、果たして自分に合った働き方なのだろうか……と。

淺田「結局自分は “調整屋さん” になってやしないか。これまでやってきた製品の規模やマネジメントした人数は大きくても、自分の実力って何になるのだろうか……?自問自答するなかで、大企業ではない別の場所でチャレンジしたいと考えるようになりました」

製品開発チームとして、プロダクトオーナーとして、あるべき姿、ありたい姿を探求したい。マーケットに製品を早く出せる、スピーディな環境で実績を積みたいーー。淺田は代表の江端と 「世界一のチームを作る」 という目標を掲げ、最高戦略責任者としてジョインします。

淺田「Odd-eでは、裁量権が増えることで、よりエンジニアからの相談に対する決断が早くなり、開発のスピードを上げることができていると肌で感じます」

一方で0から1を作るのは未経験の領域であるため、まだまだ慣れずに苦労することも多いといいます。

淺田「何十人も開発メンバーがいて当たり前だった世界にしか身を置いたことがなかった自分は、1→10は経験があっても、0→1に必要な素養がまだまだ足りないと感じることも多いです。特に、大きなビジネスに育っていないフェーズにおいて、『あれもやれるのでは、これもやったほうがいいのでは』とつい手を伸ばしたくなります。

ただ、何でもやろうとすると、どれも中途半端になってしまい、だれの心にも刺さらない、面白くないサービスになってしまう。それだけは避けたいと思っています」


失敗したっていい。本当に価値のあることを社会に提供し続ける人でありたい
▲ 世界各国のOdd-e メンバーと

▲ 世界各国のOdd-e メンバーと

2017年現在は、医療業界に向けた採用管理サービス「Jinji Karte」の開発をメインでリードしている淺田。しかし、今後はこのサービスに止まらず、より生活が豊かになるようなサービスを作り、社会に影響を与えていきたいと感じています。

そんな淺田にとって、目指したい “アジャイルマインド” を持ったチームとはなんなのでしょうか?

淺田「お客様のニーズや課題を掴みながら、『モノづくりをしていきたい』という思いのベクトルが同じ方向に向いているかに尽きると思います。その過程には、それなりのトライアンドエラーが必要。そういった気づきを最短で見つけ、スピーディに軌道修正しながらモノづくりを楽しんでいますね」

この「コトに向かう姿勢」こそ「アジャイルマインド」 であり、Odd-e Japan開発チームの根幹なのです。

かつてのプロダクトオーナー研修で教わった、「世の中や顧客の声をききながら、ビジネス転換をしていくことを実践すること」が、こんなに難しいとは。淺田はこれまでかつてない種類の壁の高みに登っています。

常に顧客の抱える課題やニーズに真摯に向き合うことで、道は開ける。そう信じ、飽くなきチャレンジを繰り返すハングリー精神は、今も昔も、そしてこれからも色あせることはないでしょう。

Text by PR Table

Wanna Know More?

Odd-e Japanについてもっと知りたいですか?
Odd-e Japan、Odd-e Japanメンバーにご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。