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株式会社トラストバンク 様 スクラム導入で成し遂げた
「顧客価値」を
起点とする開発チームの誕生

お客様情報
株式会社トラストバンク
「自立した持続可能な地域をつくる」をビジョンに、地域経済の維持・発展に向け、地域の経済循環を促すための事業を展開し、独自の経済圏を創り出している。
主にふるさと納税事業としてふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」をはじめ、行政のDX化を支援するパブリテック、地域通貨、地域エネルギーなどの事業を展開している。
提供サービス
スクラムを導入するチーム向けに、スクラムの概要ワークショップから実際のプロジェクトでのスクラムイベントのサポートとして、スクラムでの役割ごと(プロダクトオーナー、スクラムマスター、エンジニア)の支援を行う。

今後の成長のカギは当事者意識を持つ開発チーム

株式会社トラストバンク CTO山﨑氏

同社が企画・運営する「ふるさとチョイス 」の掲載自治体数は全国9割の1,600超(2021年6月時点)自治体が利用し、お礼の品の掲載数は37万点を超える、ふるさと納税総合サイトだ。

近年ではふるさと納税を活用したクラウドファンディング「ガバメントクラウドファンディング®」や、災害時、被災地にふるさと納税を活用して寄付を届ける「ふるさとチョイス災害支援」など、全国の自治体を支援している。

「ふるさとチョイス」を通じ、地域に「お金」の循環を促すだけでなく、自治体と寄付者、自治体と自治体、自治体とその地域の事業者や生産者などを繋げる場の提供にも力を入れている。

ふるさとチョイスは、メンバー自身もユーザーとして使用していることから、当事者として地域課題を解決するチームの創出がさらなる価値提供と成長につながると考えた同社は、組織改善の旗をあげる。

今回、取り組みを牽引しているCTO山﨑氏に話を伺った。

納期、品質重視からビジネス課題を解決する開発チームへ

山﨑氏は、これまでにもさまざまなエンジニア組織に身を置いてきた。

その中で、エンジニアが「特殊技能」として組織の中で囲われてしまい、現場の課題から遠ざけられてしまうような光景をこれまでたくさん目にしてきた。

同社の開発組織も、また例外ではなかった。

ユーザーにとって価値のあるものを開発する意識より、納期の遵守、品質の確保への意識が高く、「誰のためにどのような価値を提供するのか?」「なぜ今このプロダクトを開発するのか?」がわからない状態になっていた。

開発組織が地域課題を解決するプロダクトを創出する上で、現場の課題に関心が持てないチームは、将来致命的なボトルネックになるという危機感を抱いていた。

そこで山﨑氏は、当事者意識を強く持ち地域課題を解決できるチームを創り上げるべくスクラム導入を決断した。

実は、山﨑氏は従来よりスクラムに触れてきた過去がある。

その経験から、山﨑氏はこう語る。

スクラムチームは生き物だ。チームは常に進化していくものだ。チーム発足時には、導入部分で正しい知識を習得し、体系だったスクラムチームでないと間違った成長を遂げてしまう。

スクラム導入時こそ、適切にチームが進化し、自律的にスクラムイベントをまわせるスクラムチームを作る必要があり、そのためには徹底的に体系だった知識を教える人材が不可欠と山﨑氏は考えた。

山﨑氏は、前職時代にOdd-e Japanと関わりがあった。

スクラム導入時のサポートは国内随一の知見を持つOdd-e Japanしか考えられない、そう決めていた山﨑氏はさっそく導入時のサポートについて相談を行い、Odd-e Japanと共にスクラムの導入を推進することになる。

チームの成果にこだわるコーチングスタイル、Odd-e Japanにはある意味裏切られた

Odd-e Japanのコーチングは、スクラムを一から学ぶため、概要ワークショップから始まった。

デイリースクラムなどのスクラムイベントの概要を学ぶと共に「プロダクトの成功のために、エンジニアは何をしなければならないのか」「スクラムで開発を行う上で、優先順位はどのように順位付けするのか」などのスクラムに必要な考え方についても学ぶ機会を設けた。

実業務でのプロダクト開発では、エンジニアの知識向上や作業の効率化を目的としたペアプログラミングを実施し、スクラムで効率的に開発するコーディングスキルを学んだ。

また、スクラムイベントを通し、「ユーザーにとって価値のあるものを開発する」という価値基準をアジャイルコーチが啓蒙し、実務レベルでのスクラムの考え方と進め方をトレーニングした。

その他、スクラムチームに対し、実際のプロダクト開発支援だけでなく、スクラム勉強会を開催した。

勉強会では、スクラムの理論を学び、ユーザー登録機能などの部分的な機能開発を通しスクラムの考え方を身につけることを実施した。

この勉強会の目的は、新しい知見を学び、実験的に開発を行い、実践的な知見を身につけていくことだ。

この勉強会を行うことで、実際のプロダクト開発で見落としがちな理論を学び、実際のプロダクト開発に生かすことを狙っている。

スクラムの基礎を学んだスクラムチームは、「この機能の開発順位は顧客にとって良いのか」など顧客への価値提供を軸としたマインドセットがチーム全体に浸透し、徐々に自律的なチームへの第一歩を踏み出すことができた。

Odd-e Japanのコーチングに関して山﨑氏は、スクラムの導入結果は期待通りだったが、コーチングスタイルはいい意味で裏切られたと言う。

スクラムを教えている人は原理主義的な人が多く、「必ずこうしなければならない。」というプロセスにこだわる傾向が強いと感じている。しかし、Odd-e Japanのアジャイルコーチは、「スクラムチームが当事者意識を持ち、顧客にとって価値を最大限に出せる環境を作り届けるにはどうすれば良いか。顧客目線での開発組織はどうあるべきなのか」という根本的な考え方の定着を優先し、教科書的なスクラムの導入はしなかった。このコーチングスタイルがいい意味で予想外だった。

そしてこの予想外のコーチングスタイルがさらにメンバーのスクラムに対する姿勢をポジティブにしている。

スクラムマスターに抜擢されたメンバーは、これまでにスクラムの経験はなく、コードを書いているエンジニアだった。

抜擢当初はコードを書くこと以外を求められる役割に大きな不安を抱えていたが、Odd-e Japanのサポートを受けながらスクラムマスターとして、「開発するプロダクトの価値を最大化するにはどうすれば良いのか。」「価値を最大化する上で解決すべきチームの課題は何なのか」など価値を生み出すチームを作るための考え方を学び、スクラムマスターとしてチームの障害を解消し、価値を出すために貢献することのやりがいを実感している。

今では、「このチームから離れたくない」と話している。

スクラムに固執せず、チームの成果にとって必要なことを教えるOdd-e Japanのコーチングがチームにいい影響をもたらしていると語った。

存在感を増すスクラムチームを提げ、理想の開発組織へとさらに加速

スクラム導入から数ヶ月経ったいま、山﨑氏はこう振り返る。

これまでチームは言われたことを開発する気質が強かったが、自らが風呂敷を広げて活動ができるチームに成長してきている。次の挑戦は、チームでビジネス的な価値を生み出すことである。

今後の開発チームのあり方についてビジョンを語った。

昨今、世界中で需要があるため、エンジニアはそれだけで生活ができる状況に甘んじて、言われたことだけをやる技能集団ができている。しかし、人間は多様なスキルを持つことができる。トラストバンクは、エンジニア=コーディングではなく、コーディングは一つのスキルであり多能工を目指していきたい。

と、山﨑氏は熱く語る。

このビジョンを実現するためには、エンジニアがビジネスに接点を持つ機会を増やさなければならない。

スクラムの導入をきっかけに、納期の遵守、ドキュメントをベースとした品質の担保を考えるチームから顧客に届ける価値の最大化を考えるチームを目指すチームに徐々に成長しており、これまでの開発チームでは到達できなかったビジネスとの接点を持つチームの土台はできた。

ここからさらに成功体験を積み上げ、同社の「自立した持続可能な地域をつくる」というビジョンのもとに事業を加速させる。

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