2019年9月12日〜13日、ドイツのミュンヘンでLeSSカンファレンスが行われました。
ミュンヘンといえば、世界最大のビールのお祭り「オクトーバーフェスト」で有名ですが、そのオクトバーフェスト開催目前の日程に「元ビール工場だった場所を改造した」会場を使って、このLeSSカンファレンスが開催されました。
各国からの大勢のスピーカーを招いた本カンファレンスは、Odd-e Globalメンバーも多く登壇し、Odd-e Japan からはアジャイルコーチの榎本明仁が参加いたしました。
本カンファレンスは、LeSS考案者でありOdd-e Singaporeメンバーの Bas Vodde(バス・ヴォッデ)と、Craig Larman(クレイグ・ラーマン)による基調講演をはじめとし、「3つのセッショントラック」と銘打ち
experience
体験
LeSSを採用した人々による経験報告
experiment
実践
LeSS採用を改善するための実践
オープンスペース
に参加できる構成となっていました。
2日間に渡って開催された本カンファレンスは、実に多くのセッションが開催されましたが、そのうちのプログラムの一部をご紹介いたします。
9月12日
Bas Vodde
バス・ヴォッデ
オープニングトークは、Odd-e Singaporeメンバーであり、Craig Larman(クレイグ・ラーマン)とともにLeSSを考案したBas Vodde(バス・ヴォッデ)。
LeSSカンファレンスは、チームでの学習を重要視しているため、オープニングトークの後に、参加者全員でチーム作りのワークショップが開催されました。
このチームで2日間のカンファレンスの学びを共有しながら、進みます。
Bas Vodde
バス・ヴォッデ
Politics(政治)というと悪い印象をうけますが、スクラムマスターが組織を変えようと思うとき、これは決して避けて通ることができません。
ただ、政治にも建設的な方法と非建設的なアプローチがあります。
本講演では、建設的な政治的手法をつかい、組織がよりよい方向に向かうようにスクラムマスターが促す方法が語られていました。
LeSSを取り入れるには、コード所有権の変更と組織構造の変更が必要です。 これらには、多くの場合、政治とパワープレイが伴います。 あなたがLeSSを採用することに成功には、政治的な地雷原をどれだけうまくナビゲートできるかにかかっています。恐らくは、政治的側面をないがしろにすることが、LeSSの採用を断念せざるを得ない最も一般的な理由でしょう。
本講演では、組織内の政治的ゲームに関する定義、思考、ストーリーをはじめとして、成功例と失敗例を共有し、政治の潜在的な悪影響を回避する方法についてのアイデア、そして続けるためのコツを提供します。
Michael James
マイケル・ジェームズ
LeSSのメリット・デメリットを理解し、LeSS導入の難しさを理解した上で、導入の判断をすべきであるというMichael James(マイケル・ジェームズ:MJさん)のメッセージです。
MJさんの認定スクラムマスター(CSM®)研修・トレーニングは、日本国内でも受講いただくことができます。そして、彼のCSM®は、LeSSの初歩編を含んだ研修・トレーニングとなります。
残念なことに、あなたが Twice The Hypeの詐欺師から聞いたにもかかわらず、アジリティ(Agility)は無料ではありません。プライスタグの告知に基づく同意なしにアジリティ(Aglity)を販売するべきではないのです。
本セッションでは、私たちが通常行っているアドバイスに従って、実践者による経験報告を探ります。
Ivan Zimine
イヴァン・ズィミン
Odd-e SingaporeメンバーであるIvan Zimine(イヴァン・ズィミン)は、認定スクラムデベロッパー研修・トレーニング(CSD®)で来日をしてくれています。
彼がソフトウェア開発者としていかに学び、学びを他の開発者に伝えたか。1人ではなく、グループ又はペアで学ぶことの大切さを共有してくれた実に価値ある講演でした。
実に多くの企業が、ソフトウェアがビジネスで重要な役割を果たすことを認識しています。そして、誰もが開発者、できればRockstars™を雇おうとしています。
しかし彼らは稀な存在であり、さらにすでにFANG(巨大ネット銘柄群)に採用されているため、ドメイン固有のソフトウェアの問題を解決するためには、「3か月でAIの専門家になる」ブートキャンプ(安価に読む)からの卒業生を雇うことが、第二の選択肢となっています。
何か間違っている可能性がありますか?
大学もまた、現在のソフトウェア開発と見なされているものよりも10〜15年ずっと停滞しているように見えます。
本講演では、Ivan Zimine(イヴァン・ズィミン)が開発者としての彼自身の旅、単独で行う場合とマスターたちから学ぶ場合の所要時間、大規模組織でテクニカルコーチとして試したいくつかのこと、および毎週公開の実用的なコーディングの実行から学んだ教訓を紹介します。
https://less.works/attachable/materials/9119月13日
Craig Larman
クレイグ・ラーマン
本カンファレンスのキーノートのうちのひとつは、Bas Vodde(バス・ヴォッデ)と共同でLeSSを考案したCraig Larman(クレイグ・ラーマン)
大規模開発を行う際に、開発者は様々なものを共有することになりますが、ノーベル賞受賞者のElinor Ostrom(エリノア・オストロム)さんの「共有資源の管理についての考え方」が、ソフトウェア開発にも適応できるのではないだろうか?という問いが、Craigさんから投げられました。
LeSS考案者のひとりであるCraig Larman(クレイグ・ラーマン)によるキーノート
https://less.works/attachable/materials/912
Yi Lv
イー・ルー
Odd-e Chinaのメンバーであり、LeSSのトレーナーでもあるYi Lv(イー・ルー)によるセッションで、さまざまな種類のプロダクトバックログについてと、より良いプロダクトバックログとは何なのか?ということを、探求するセッションです。
なぜバックログが多くなるのでしょうか? 主な要因は効率です。 いったい結果はどのようなものでしょうか? 配信のエンドツーエンドのサイクルタイムが増加し、柔軟性が低下して価値が最大化されます。
バックログの数は、俊敏性を達成するための重要なレバーです。 〜 バックログの減少、俊敏性の向上 マルチラーニングとは、機能、技術領域、顧客領域全体で学習することを意味します。 マルチラーニングを増やすとバックログが減り、バックログを減らすとマルチラーニングが増えます。
詳細については、このトピックに関する一連のブログ記事を参照してください。
9月12日
Chokchai Phatharamalai
チョクチャイ・ファトラマライ
Odd-e ThailandメンバーのChokchai Phatharamalai(チョクチャイ・ファトラマライ)によるオープンスペース
9月13日
Aki Enomoto
榎本明仁
Michael James
マイケル・ジェームズ
小さなLOVEが、世界を変える。
LOVEをはぐくむ家族型ロボット、LOVOT[らぼっと]を開発した GROOVE X 社における、マネージャー不在のプロダクト開発に関してのセッション。
認定スクラムマスター(CSM®)研修・トレーニングでおなじみのMichael James(マイケル・ジェームズ:MJさん)と、MJさんのCSM®で共同講師と通訳を務める弊社Odd-e Japan 榎本明仁による事例発表を行いました。
Yeong Sheng Tan
ヨン・シェン・タン
Odd-e SingaporeメンバーYeong Sheng Tan(ヨン・シェン・タン)によるオープンスペース
Viktor Grgić
ヴィクター・グルジチ
Odd-e HongKongメンバーのViktor Grgić(ヴィクター・グルジチ)によるLeSSにおけるベンダーとの協働についてのワークショップ。
Yeong Sheng Tan
ヨン・シェン・タン
Odd-e SingaporeメンバーYeong Sheng Tan(ヨン・シェン・タン)によるオープンスペース
Limboは、2つの原則の焦点が絶えずバランスを保っているライブの共有プログラミングです("test && commit || revert"経由の"Limbo on the Cheap")
Limboは、以下の2つの原則を定めて、同じコードベースで同時に作業している数千人の開発者向けに開発を拡大しています。
Peter Beck
ピーター・ベック
認定スクラムマスター(CSM®)研修・トレーニングで、何度も来日いただいているPeter Beck(ピーター・ベック:Peterさん)によるオープンスペースのセッション風景です。
簡単なゲームを通じて、人間がいかに今までの慣習に影響を受けているか、認知するワークショップを開催していました。
フランクフルト(ドイツ)とベルン、チューリッヒ(スイス)に拠点を置くPeter Beck(ピーター・ベック)の使命は、顧客とその従業員に価値を提供する企業を創造することです。
それがDasScrumTeam AGを設立した理由です。彼は、Scrum Alliance®の認定スクラムトレーナー(CST®)であり、確かなエンジニアリングのバックグラウンドを持つコンサルタントです。
ピーターは、スクラムとアジャイルについていくつかの出版もしており、カンファレンスやコミュニティへの登壇やセッションも行っています。
Odd-e Japanでは、認定スクラムマスター(CSM®)研修・トレーニングをはじめとし、認定プロダクトオーナー(CSPO®)研修・トレーニング、認定スクラムデベロッパー(CSD®)研修トレーニングそして、認定LeSS実践者研修・トレーニング(Certified Large-Scale Scrum:Practitioner)を実施しています。
認定LeSS実践者研修・トレーニングでは、Odd-e Singaporeのメンバーであり、LeSSの考案者のひとりである Bas Vodde(バス・ヴォッデ)を講師に招き実施いたします。
研修・トレーニングの詳細や、お申込みはOdd-e Japan サイトをご覧ください。
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