Odd-e Japanで、Chief Administrative/Accounting Officer(CAO)最高管理・会計責任者を務めながらも、本業として「日本画家」の顔を持つ、岡本東子。Odd-e Japanでの彼女の活躍は、アドミニストレーションや会計のみにとどまらず、関連会社を含め多くの制作物を世に生み出しています。
現在 「Agile Goods Scrum専門店」 で購入が可能なグッズのひとつである 「プランニングポーカー(Planning Porker:Girls Version)」 をはじめとし、関連会社のロゴやグッズの制作も手掛けています。
彼女が以前携わったプロジェクトのなかで、特に世に広まっている 「Scrum Primer」 のプロセス概要図(アニメバージョン)について、 InfoQ.com にて制作の背景が語られています。
ここでは Odd-e Singapore の Bas Vodde(バス・ヴォッデ)がインタビューに答えています。 (2013年3月4日の InfoQ.com の記事です)
Bas Vodde(バス・ヴォッデ)は、
InfoQ.com
や Scrum Primer のWebサイトから入手可能な
「Scrum Primer」
の著者のひとりです。
このScrum Primer のWebサイトには、クリエイティブコモンズライセンスで、自由に利用できるようになったスクラムプロセスの概要図(概要を示すグラフィック)が、ダウンロードできるようになっています。
このWebサイトでは、最近(注:2013年当時)概要図の別バージョンとなるものが追加されました。スクラムのプロセスをアニメバージョンで表現したものです。
Basに、この新しいグラフィックについて聞きました。
Bas それはすべて偶然に起こったことです。 過去数年間、私は日本で非常に多くの仕事をしてきました。主にScrum Alliance®認定の認定スクラム研修・トレーニングコースを提供しています。
ある日、Shibuya Tracと、すくすくスクラムというコミュニティに積極的に参加しているカヌカヒデトシが、アニメスタイルの自作のポーカーカードを持っていました。それを見て本当に本当に素晴らしいと思ったのです。 そこで、それらを複製できるかどうかを尋ねました。ただ、まだそこには4つの画像しかなく、カード毎に異なる画像が必要でした。つまり、私たちにはアーティストが必要だったのです。
Odd-e Japanのアジャイルコーチには、岡本東子というアニメ画を上手く描ける友人がいたので、彼女にお願いをしてみました。 彼女にアニメバージョンのプランニングポーカーを作成してもらい、現在これは、学生やクライアントから非常に人気を得ています。
プランニングポーカーは、スクラムをテーマにしています。 ある日、私はプランニングポーカーを見ていて気づいたのです。そこには、スクラム概要図を作成するために十分なすべてのグラフィックスが描かれていることを。 私は早速、Odd-e Japanの同僚にどう思うかと尋ねたところOKをもらい、スクラムの概要図を作成し始めました。 次は何ができるのか楽しみにしています。とにかく楽しくクールだと感じています。
Bas 岡本東子といい日本画家でもあります。 彼女はOdd-e Japanチームの良きパートナーであり、常に多くのことで私たちを助けてくれます。そしてお分かりかと思いますが、彼女は実に素晴らしいアーティストであり、私たちは、彼女と一緒に仕事ができたことを本当にラッキーだと思っています。
Bas 公開前には、レビューと変更の長いサイクルを経験しました。 私たちは全員がいつも忙しく、コミュニケーションをスムーズに進ませることも難しく、およそ1年半続いたと思います。私の日本語スキルはまだまだですね!
最終的には、青、ピンク、緑の3つのバージョンを公開しました。 これらのバージョンがうまれたのは偶然で、もともとは(いちばんかわいい)ピンクだけでしたが、次に青バージョンが欲しくなり、私は緑バージョンを取り戻しました。 理由はまだわからないのですが緑バージョンも好きだったのでこれまでに3つのバージョンとなりました。それが幸いして、誰でも自分の好きなスタイルを選択できることになりました(笑)
Bas これまでのところ、非常に好評です! 最も一般的なフィードバックは「かわいい」です。 個人的な、私のお気に入りのフィードバックのひとつは、金融業界で働いている私のアメリカ人の友人からでした。 プランニングポーカーのそれぞれのカードを見る度に「Oh, No!」 と驚くのです。 最終的に彼はそのプランニングポーカーを好きだと言っていましたが、それらを米国では、使用することはできないでしょう。 とても興味深いコメントだと思いました。私はアメリカにいることは滅多にないので...
Bas 「帰属」と「変更なし」のクリエイティブコモンズで公開しました。 変更なしは、画像を変更できないことを意味します。帰属とは、Odd-eまたはScrum Primerサイトに帰属する必要があることを意味します。 画像自体は商業的に使用することが許可されているため、プレゼンテーションなどでご利用いただけます。
Bas Vodde(バス・ヴォッデ)は、アジャイル・リーンの製品開発に関連するコーチ、プログラマ、トレーナー、および著者です。 彼は、アジャイル開発をスケーリングするための「LeSS(大規模スクラム)フレームワーク」の考案者でもあります。彼は、組織・チーム・個人の技術的実践、これら3つのレベルで組織のコーチを行っており、10年以上に渡り、ソフトウェア開発、スクラム、および最新のアジャイルプラクティスについて何千人もの人々の研修・トレーニングを行ってきました。
彼の著書には 「大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法 (Large-Scale Scrum: More with LeSS)」 「Scaling Agile and Lean Development: Thinking and Organizational Tools for Large-Scale Scrum」 「Practices for Large-Scale Agile and Lean Development」 があり、いずれも Craig Larman(クレイグ・ラーマン)との共著となっています。
Basは、主にアジアは Odd-e Singapore において、製品開発の改善を支援をしています。
オランダに生まれた彼は、過去には中国、フィンランドに居住したのち、現在のシンガポールに居を構えています。 彼は非常に伝統的な環境のもとにあるスタートアップで働いていました。 この決して心地良いとは言えない経験により、アジャイル・リーン開発は、例えその開発がどんなに大規模であろうと、ソフトウェア製品を開発するうえで、より人間的な方法であると確信しました。
彼には、Nokia Networks(正式にはNSN)において、アジャイル開発(特にスクラム)を導入する機会がありましたが、ヘルシンキへと移動せねばなりませんでした。そこで彼は、多くの製品グループがスクラムや、その他のアジャイルのプラクティスを適用しているのを見たのです。彼は極寒のフィンランドから南に移動した末、中国に戻り、1つの大きな製品グループにおいてスクラムの採用に集中しました。
特にBasは、大企業と大規模な製品開発に重点を置いたスクラムに関心を持ちながらも、技術的な実践、特にテスト駆動開発(test-driven development:TDD)(特に組み込み環境)と継続的インテグレーション(continuous integration:CI)の作業も楽しんでいます。彼は開発者として働き続けているのです。なぜなら彼は、俊敏かつ柔軟であるためには、きちんとファクタリングされたコードベースが必要だと強く信じているからです。彼の趣味は、無駄のない生産と品質管理、そしてもちろんプログラミングの研究なのです。
Basは、C / C ++のフレームワークである 「CppUTest unit testing and mocking framework for C/C++(CPPユニットテスト)」 と、Rubyによる 「Osaka a Mac UI automation framework」 の著者の1人でもあります。