スクラムを導入する企業の増加にあわせて、スクラムマスターやプロダクトオーナーの需要が高まりを見せています。会社内でのキャリアチェンジに留まらず、中途採用や副業人材として社外から即戦力を募集する企業の求人もよく目にするようになりました。
今回は、そんな注目の職業「スクラムマスター」について見ていきます。
スクラムマスターとは、スクラムガイドで定義されたスクラムを確立させることの結果に責任を持つ職業です。
スクラムマスターとして業務を行う環境や扱うプロダクトについては当然ながら企業によって異なります。一方、スクラムマスターはスクラムガイドによって定義された役割を担う職業のため、基本的には同一です(スクラムマスターの役割については「スクラムマスターとは」をご覧ください)。スクラムマスターの求人に応募する際は、スクラムガイドにどの程度準拠した役割を期待されているのか、スクラムマスター以外の役割で期待されていることがないかなど、面談の機会も活用して確認することが転職のミスマッチを防ぐポイントになってくるかと思います。
スクラムマスターの需要についても見ていきます。2022年7月現在、カカクコム社が運営する求人ボックスの検索結果をみると、スクラムマスターの求人は上昇トレンドにあります。勤務地は東京都が圧倒的に多く全体の8割程度ですが、リモートワークできる企業も増加傾向のため、地方からでも挑戦しやすい環境になってきています。
多くの場合スクラムマスターは、正社員として組織に貢献することを期待されているようです。実際、先に紹介した求人ボックスをみると、正社員としての採用が全体の約8割を占めています。「スクラムマスターチェックリスト」でも紹介したように、フルタイムのスクラムマスターは1度に1〜3のチームに対して支援を行うことが一般的です。一方、スクラムの利点を活かすためにも、同一チーム内におけるスクラムマスターと他の役割との兼務は避けるべきです。この記事の読者の方には自明かもしれませんが、入社後の所属や働き方についても選考時に確認しておきましょう。
スクラムマスターはスクラムの導入によって初めて必要になる職業です。よって、スクラムを初めて導入しようとする企業では、スクラムマスターの経験者が社内に一人もいないケースがほとんどでしょう。そうした場合、書籍やウェブの情報も参考にして手探りで導入・実践することが多いかと思いますが、常にスクラムガイドを確認し、フレームワークに過度なアレンジを加えないよう注意してください。
初めてスクラムマスターになる前に、外部研修を受講することや、アジャイルコーチの指導を受けるのもおすすめです。当社が開催しているスクラムマスターのトレーニングは、認定スクラムマスター(Certified ScrumMaster®:CSM®)の資格取得に留まらず、スクラム導入時に役立つ学びを得るのに効果的です。これからスクラムマスターになる人は、受講することで多くの気づきを得られるでしょう。
アジャイルコーチはスクラムに関する経験が豊富なだけでなく、プロダクトオーナーやスクラムマスター、エグゼクティブやマネージャーなど、スクラムに関わる人材育成経験も豊富な職業です。スクラムマスターが将来目指すキャリアパスの一つとも言えるでしょう。当社にも数名のアジャイルコーチが在籍していますので、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
スクラムマスターの求人とキャリアについて紹介しました。外部研修を受講したりアジャイルコーチの指導を受けることが難しい場合でも、「スクラムはシンプルである。まずはそのままの状態で試してほしい。」とスクラムガイドに書かれていることを忠実に守って経験を積んでいきましょう。
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